認知行動療法を実践できるオススメ本

認知行動療法を実践できるオススメ本 生活と子育てに役立つ心理学

「私っていつもこうだ……」「失敗してばかり」 自分で自分を追い詰めていることはありませんか。 そういった思考の癖を認知し、行動を変えることで認知の歪みを変えていくのが認知行動療法です。

私は『今日から使える 認知行動療法』という本で勉強しました。とってもわかりやすいのでオススメです!

認知の歪みに気付こう

「私っていつもこうだ……」「失敗してばかり」 、そんなつらい気分の背景には、自動思考というものがあります。自分に対しても人に対しても、反応的に「この人ってこういう人だよね」「いつも〇〇だ」「だからダメなんだ」など、浮かんでしまう思考はありませんか。

そしてそういった思考の癖・認知の歪みには10パターンあると言われています。

1.全か無か思考(白黒思考) 100%でなければ失敗と考えてしまう
2.一般化のしすぎ ひとつのよくないことで、すべてを判断
3.心のフィルター 悲観的なメガネをかけて生きている
4.マイナス化思考 すべてを悪いできごと、悪い評価にすり替える
5.結論の飛躍 根拠もなくストーリーを作り上げ、「~に決まっている」と思い込む
6.拡大解釈&過少評価 短所は大げさに、長所は過少に評価する
7.感情的決めつけ 理性でなく、感情で判断する
8.すべき思考 自分にも他人にもやけにきびしい
9.レッテル貼り 頭のなかのイメージで「〇〇人間」と決めつける
10.個人化 自分には関係のないことまで、自分のせいと考える

(引用:『今日から使える認知行動療法』福井至、貝谷久宣)

皆さんにも思い当たる節はありませんか?

私は自分にも人にもやけに厳しい「すべき思考」で自分を責めてしまったり、自分には関係のないことまで自分のせいと考える「個人化」もよく生じます。不安なときは、一つのよくないことで「ほらやっぱりダメだ……!」とすべてを判断してしまうこともあります。

自分にどの傾向があるか気づくだけで、「また白黒思考になってる自分……!」と気づきやすくなり客観視できて、ストップをかけられるようになります。

これは結構根深いことが多いと思うので、何度も気づくことが大事です。

行動を変えて思い込みを変えていこう

思考の癖の奥には、マイルール、思い込みのようなものがあり、「スキーマ」と呼ばれています。

例えば、「いつも失敗ばかり」という自動思考が浮かびやすい人には「自分は無能だ」というスキーマが、「陰口を言われているに違いない」という自動思考が浮かびやすい人には、「自分には愛される価値がない」というスキーマがあります。

過去の経験から形成されているので、簡単には変わらないですが、まずは気づくこと、そしてスキーマの修正を試みること、修正前のスキーマに対する反証を地道に集めていくことが大切です。

陥りがちな価値基準として6つ紹介されており、スキーマを修正するときにはこの点をチェックしてみるとやりやすいです。

Ⅰ.完璧主義:完璧でなければ、やる意味がない
 ⇒より良い結果を求めて努力することは大切だが、「完璧な人間」「完璧な結果」は存在しない。
Ⅱ.業績依存:結果を出せなければ、意味がない
 ⇒あくまで企業側の要請。その価値観を内在化させると努力しても結果ができないとき、病気や定年などで自分を無価値と感じてしまう
Ⅲ.愛情依存:愛情なしには幸せになれない
 ⇒愛情は大切だが、あくまで人生の価値の一部。「愛情なしには幸せになれない」という前提を見直そう。
Ⅳ.承認欲求:認めてもらえないと、苦しい
 ⇒他者からの承認に依存すると、批判を受けるたびに強い自己嫌悪に陥る。あくまで「その人の見方、考え方」であることを忘れずに。
Ⅴ.報酬欲求:努力に対する見返りは当然だ
 ⇒現実には見返りがないことも多く、不公平感による怒りがわくことも。「完全な公平さはどこにもない」ことを前提にしよう。
Ⅵ.コントロール欲求:すべてを思い通りにしたい!
 ⇒自分の価値観で人の言動をジャッジすると、すべてにいらだつことに。人の言動はその人の自由であることを忘れずに。

(引用:『今日から使える認知行動療法』福井至、貝谷久宣)

例えば私は、Vの報酬欲求の傾向があり、頑張ったのに報われないと「頑張ったのになんで」と怒りが湧いたり、逆に「こうなったのは、自分の努力が足りなかったせいだ」と自分を責めることもよくあります。「完全な公平さはどこにもない」ことを前提に、たまたまだよね~ともう少し気楽に捉えるように意識しています。

ワーク付きでやりやすい

この本の良さは、ワーク付きでやりやすいこと、漫画や図が挿入されているので読みやすいことです。

主人公の方が「私は失敗ばかりで……」「ダメ人間で……」と言っていて、客観視するとそんなに卑下しなくても!と思うのですが、自分もそう思ってしまうことあるな~~とハッとさせられます。そういう事例が多く載っている本なので読みやすいです。

誰かと一緒にワークに取り組む

可能であれば、誰かと一緒にワークに取り組むとより気づきが多いです。

思考の癖というのは、自分にとっては当たり前すぎることが多いです。人と話すことで、みんなが自分と同じように捉えているわけではないことに気付いたり、他の人のを聞いて「自分はそうは全く思わないな」と気づいたりします。

まとめ:ワークを日々の生活に取り入れ、つらい気分を減らしていこう

認知行動療法は、本で読むだけよりも、ワークで自分の場合はどうかを当てはめながら読んでこそ、腹落ちするものがあると思います。もっと言うと、1回取り組むだけではなく日々の生活でつらい気分になったときに何度でも取り組むことをしないと、なかなか変わっていかないです。

本をお手元に置き、日々の生活に取り入れていき、つらい気分を減らしていきましょう!

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