子育てにコーチングの考えを活かすには?

BookReview子育てコーチングの教科書 生活と子育てに役立つ心理学

コーチングでは、相手の可能性を信じて、傾聴や問いかけをすることがとても大事です。

その考え方は子育てにもめちゃくちゃ役立つものだと実感しておりブログにもまとめていきたいのですが、何がどう役に立つのか、なかなか言語化できずにいます。

そんな中、そんな思いを言語化してくれている、『子育てコーチングの教科書』という本に出会いました。

私がこの本をお気に入りな点は、傾聴、問い方などのスキルだけでなく、「在り方」についても書かれているところ子どもを受け止めるスキル、子どもに働きかけるスキル、視点を増やすスキル、自分の内側に力強さが生まれるスキル、という各章のタイトルを見るだけでも興味が湧いてきます。 コーチでもあり子育て中の私が、この本を読んで考えたことを紹介します。

子どもが「聞いてもらえた」と思う聞き方をする

第一章の「子どもを受け止めるスキル」では、聞く・見るコミュニケーションについて書かれています。

「コミュニケーション」というと、話すスキルが目立つように感じませんか?

コーチングでは「聞く力」がとっても大切です。子どもの「今日〇〇があって……」という話を上の空で聞くのではなく、どんな体験だったのか、どんな感情なのかまで聞き切ること。

子どもの世界を一緒に味わうという気持ちで聞き、一緒に感じることで、子どもにとって「聞いてもらえた」という体験になります。

子どものことを聞き、認め、そして言う

第二章の「子どもに働きかけるスキル」では、子どもへの質問、認め方、リクエストの仕方などが書かれています。

子どものことを聞き切ることをしたいとは思うけど、そうは言っても現実問題としては、子どもに言いたいことも怒りたいこともいっぱい出てきますよね。

そんなとき、子どもにガツンと上から怒るのではなく、子どもに質問して、返ってきた答えを認め、その上でリクエストをしていく。そのようなコミュニケーションを続けていくと、子どもへの理解も深まり、子育てがしやすくなっていくのではないかと思います。

コーチングの大事な考え方に、「コーチとクライアントは対等な関係である」というものがあります。何かを教えるのではなく、一緒に探求していくイメージなのです。子育てでもそれは同様。子どもに何かを教えるというスタンスではなく、子どもを一人の存在として尊重し、子どもの興味や人生を一緒に探求していく在り方が大切なのではないでしょうか。

子どものリソースを見つけ、そこに光を当てる

第三章「視点を増やすスキル」では、個別に子どものタイプに合った関わりをすることや、視点を移動すること等が紹介されています。

中でも「宝物(リソース)を見つける」という章がお気に入りで、というのも私はコーチングで学んだ「リソース」という概念がとても好きなんです。

リソースは直訳すると資源ですが、コーチングの考え方では、どんな経験もリソースだし、同じ経験をしてもどんな風に感じるのかという特性もリソースだし、これからこうしたい!という想いもリソースです。

ときに、人はより輝くために努力を求められたり、今とは違う目標に対して向かっていくことを求められたりもしますが、既に自分の中にあるリソースを見つけて、光を当てるだけで人は輝くのです。

子どもにないものを求めるのではなく、子どもの中にすでにあるリソースを見つけてそこに光を当ててあげることは、とても豊かなことだと思います。

すべての感情を味わい、真剣勝負する

第四章「自分の内側に力強さが生まれるスキル」では、「すべての感情を味わうと決める」という章があります。

その章の中でも、「自分の気持ちを自覚して味わい、それと折り合いをつけていくこと。無自覚なままに相手にぶつけていては人を育てていくことはできない。」という文章が響きました。

私自身、コーチングに出会い、自分が一番変わったと思うことは、前よりも色んな感情を味わうことができるようになったことなんです。以前は、怒りなどの不快な感情は見ないようにすることが多かったし、嫌だからそうなる状況を避けて生きてきました。

けれども、変えられる職場や清算しやすい人間関係とは違い、子育ては逃げられないことが多い。待ったなしの状況が来るので、不快な感情を避けることができない。

そんな中で折り合いがつかない気持ちも生じるけれども、自分の内側で味わい、折り合いをつけることで、無自覚に子どもやパートナーなど周りの人にぶつけることを減らしていく。自分のためにも周りのためにも、大切なことだと感じました。

まとめ:コーチングの在り方を子育てにも生かそう

コーチングで大切な、相手と対等な関係を築くこと、相手とのコミュニケーションの仕方、相手のリソースや感じていることを一緒に味わうこと、といった考え方は、子育てに活かせる点がたくさんあります。

それがわかりやすく書かれている本だなと思いました!

コーチングを学んだことがある方も、そうでない方も、『子育てコーチングの教科書』を読んでみてはいかがでしょうか。

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